きままにひく引鉄

理系社会人 広く浅くの体現者

哲学の入り口になるか「ここは今から倫理です。」感想

私は授業で倫理を学んでこなかった人間である。

正確に言えば技術者倫理の講義は受けた。それはあくまでも物を作り探求するために守るべき規則や心構えを習うものであり人の気持ちなどと言う、ともすると曖昧になりがちで目に見えないことを学ぶ場では無かった。

 

雨瀬シオリ著「ここは今から倫理です。」

グランドジャンプコミックスで既刊は2巻。

 

1話完結で繰り広げられる生徒と先生の対話。生徒の悩みは現代的でもあり、普遍的でもある。思春期の生徒たちは一見して理解を得難い行動の殻の中に本心を秘めている。

倫理教師である高柳はほぼ無表情で、時には氷のような表情で淡々と歴史に刻まれた哲学者の言葉を述べていく。

 

私が高校生だとして、倫理の授業があったら、眠らずに受けていられるか正直分からない。けれど、高柳のような先生がいたら、ひっそりと話をしには行っていたかもしれない。

 

また新しく学びたいことが増えたな、と感じた。私は人としてどれだけ学べるだろうか。